会長のご挨拶

会長 中村 伸二

 令和2年度より、コロナ禍の中書面決議にて了解をいただいて会長職に就くこととなりました。今まで経験したこのない状況の中、会長を務めることになり不安も大きいですが、会員の皆様のご協力を賜りながらこの難局を乗り切りたいと思います。更に今回は副会長3名とも新任となり、未来に向かって新たな一歩を踏み出したいと思います、幸い、今回就任してもらった3名はいずれも障害福祉分野に精通し、熱い思いで一緒に切り開いていける力量のある方々だと信頼しています。今まで当たり前のようにやってきました研修・行事等の活動についてもコロナ禍を契機に、将来を見据えて抜本的な改善を図ったうえで会員の皆様・利用されている皆様に貢献できるよう取り組んでいく所存ですのでよろしくお願いします。
さて、障害福祉施策分野においては、長年続いた措置制度からの転換以降障害福祉施策は、混とんとした情勢が続いています。社会の価値観が変化していく中で変えてはいけないものも多くあると感じます。特に現在の総合支援法が施行されてからは何か経済論理が最優先されているようにも感じてしまいます。例えば、津久井やまゆり園事件発生後重度者や行動障害のある方等は生きていく価値のない人間で他人を不幸にするといった犯人の意見に賛同するものがネット上で多く見られたり… すごく偏った差別感が浸透している感じが…  このような時代だからこそ今一度福祉の原点をたどりながら私たちが社会に訴えかけていくこと等確認する必要もあるのではないかと思います。私自身、昭和54年に当時の入所授産施設の職員として入職して以来一貫して知的障害の方々と歩んできました。決して立派な職員でもなく、どちらかというとあまりできの良くない職員といった方が正しいでしょうか。そんな自分を根本から変えてくれたのが最重度と言われる利用者との出会いでした。身辺処理はほぼ介助で、言葉もない彼らとの出会いこそが自分にとっての「福祉の原点」であり、自分を磨いてくれた恩人です。
 「障害の有無や障害の重さ等に関わらず人は人として生きていく権利を有し、幸せを追求する権利がある。」憲法にも保障されているこのことを基本として、誰もが自分らしく堂々と普通に生きていけるようサポートしていける環境(真の意味での共生社会)の充実を目指して、取り組みたいと思います。
 「人は、人のために生きることが唯一無二の生きる意義である…」  
 これから、会員施設の皆様の発展と利用される方々の幸せを願いながら、皆様に愛され必
要とされる協会として全力で取り組んでいく所存ですので、よろしくお願いします。

青森県知的障害者福祉協会

 会長 中村 伸二